種まきと収穫 春と秋 社日について

今日、3/17は、社日(しゃにち)です

社日は、八十八夜や半夏生と同じ雑節の1つです。

雑節は、二十四節気や五節句以外の、季節の節目となる日の総称です。
社日の「社」は、その土地の守護神である「産土神(うぶすながみ)」を意味します。
※産土神=生まれた土地の守護神

社日は、その産土神を祀る日で、年に2回、春と秋に訪れます。

ちょうど、春は種まきの時期、秋は収穫期に重なる事から、農業を行う人々にとって大切な節目の日となっていたのです。

春の社日には五穀を供えて豊作を祈り、秋の社日には稲穂を供え収穫に感謝していました。
古代中国で、社日の「社」は土の神を指し、社日は「社」を祀る祝日でした。

社日は、春分の日と秋分の日に最も近い「戊(つちのえ)の日」になります。

それぞれ、
春の社日を「春社(はるしゃ・しゅんしゃ)」

秋の社日を「秋社(あきしゃ・しゅうしゃ)」
とも呼びます。

「戊の日」は、五行説に基づく十干(じっかん)の1つです。

十干は、五行思想の「木・火・土・金・水」を、陽を表す「兄(え)」と「弟(と)」に分けたものが 十干「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」と結びついたもので、 十二支と同様に、暦を表すために用いられます。

この中で、戊は「土の兄(つちのえ)」にあたり、山などの動かない土を意味することから、土の神を祀る日として選ばれたと言われています。

ただ、春分もしくは秋分の日が「癸(みずのと)」となる場合は、注意が必要です。

なぜかというと、癸の日が戊の日と戊の日の、ちょうど中間にあたるからです。

このような場合、春分または秋分になる瞬間が
午前中であれば、前の戊の日

午後であれば、後の戊の日

とるすのが一般的になります。

ちなみに、春分の日は3月21日、秋分の日は9月23日です。

社日の行事は、それぞれの土地の神様を祀るため、その行事も地域によって様々です。

春の社日は「地神降り」、秋の社日を「地神昇り」とも呼ばれ、祭祀や「地神講(じがみこう)」「お社日様」という行事が行われます。

「社日参り」や「社日詣」と呼ばれており、社日の日に鳥居のある神社を七社詣でると痛風やボケ封じになる、というものです。
また、春社の日に飲むお酒を「治聾酒(じろうしゅ)」といい、耳の障害が治るという言い伝えがあります。

断っておきますが、「治聾酒」という特別なお酒があるわけではありません。

春社の日に飲む「お酒」を指していますので、誤解のないようにお願いいたします。