今日は夏至です。
夏至とは、一年で一番昼が長い日のことを言います。
二十四節気の一つで、暦上ではそれが起こる日を指しますが、天文学的には太陽が夏至点を通過する瞬間の時刻を指すこともあります。
昼や夜の長さで季節の変わり目を知るという意味では、春分・秋分・冬至などもあります。
一方、一年で昼が最も短い日を冬至と言いますが、東京で昼時間の長さを比べると夏至と冬至では5時間もの差があります。
昼が長いということは、それだけ太陽が長い時間出ているということになり、当然気温が高くなる気がしますが、日本の場合、夏至が梅雨の時期と重なっている為、実はそれほど暑さを意識することはありません。
しかし、例え夏至と梅雨がぴったりと重なっていなくても、やはり夏至に暑さをピークで感じることもないのです。
実は日頃から、その日の最高気温というのは日射量が最も多いとされる12時よりも、1~2時間遅い時間になります。
これは、気温上昇が太陽高度だけによるものではなく、太陽の光で温められた土や建物の温度が空気に伝わることで発生する為です。
そしてこれと同じことが一年を通じた気温でも見ることができます。
夏至の前、雨が降って全体の気温が高くない状態が続く日本において、夏至の日に太陽高度がピークに達しても、地表や空気が温められていないためそれほど気温の高さを感じないのです。
冬至の時には柚子湯に入る風習がありますが、一方で夏至の時にはあまり聞かない気がします。
そこで、本当に夏至には決まった風習や習慣がないのか調べてみたところ、三重県伊勢市二見町では今も続く伝統行事が存在しました。
それは「二見の夏至祭」です。
二見浦には夫婦岩があり、海中の「興玉神石(おくたましんせき)」に対して鳥居の意味があり、昔からこの領域の水は神聖なものと考えられていました。
そのため、伊勢神宮に参拝をする人は二見浦の海水を浴びて身を清めてから参拝に訪れたそうです。
このようなことから、夏至の日に二見浦に入り朝日を浴びて禊を行う夏至祭が行われるようになったのです。
関東地方
新小麦粉で焼き餅を作って神に供える。
この時期は小麦がたくさんあることから、小麦を使ったお餅を神様にお供えして五穀豊穣と願ったとされています。
関西地方
夏至から11日目にあたり半夏生にタコを食べる。
夏至がちょうど稲を受ける時期のため、8本足のタコは稲が八方に伸びるように、という意味で縁起がよいとされていました。
愛知県
無花果(いちじく)の田楽を食べる。
無花果を半分にカットし、その上に田楽味噌を塗って焼いたものを食べる習慣があるそうです。
香川県
うどんを食べる。
うどんの一大産地として有名な香川県では、昔から5月に収穫した小麦粉を使ってうどんを作り、夏至の時期に食べていたと言われています。
福井県
半夏生鯖を食べる。
鯖の漁獲量が多い福井県では夏至に焼き鯖を食べる習慣があります。
なお、この時期に獲れる鯖は半夏生鯖と呼ばれています。
京都府
水無月という和菓子を食べる。
水無月はういろうの上に甘く煮た小豆を乗せた和菓子です。
小豆には厄払いの意味があり、毎年6月30日には半年の穢れを祓うための「夏越の祓」という神事が行われます。
夏至とは直接関係はないのですが、日付が近いことからこの時期になると京都の方は水無月を食べます。
夏至は、一年で最も昼が長く、夜が短い日。
一方の冬至は、一年で最も昼が短く、夜が長い日です。
これは夏至の場合、太陽が一年で一番北よりから登り、お昼に空の最も高い場所を通って、一番北よりに沈むからで、太陽が出ている時間が長くなるために、おのずと昼が長くなり、夜が短くなります。
冬至の場合はこの逆で、太陽が一年で一番南よりから登り、お昼に空の最も低い場所を通って、一番南よりに沈むため、太陽が出ている時間が短くなり、夜が長くなります。
ただし、だからといって夏至が一年で最も日の出が早く、日の入りが遅いわけでも、冬至が一年で最も日の出が遅く、日の入りは早いわけでもありません。
夏至は日本独自の物ではなく、世界各国で一つの基準日として考えられています。
特に冬が位長い北欧では、夏至の日にはお祭りをするほど待ち焦がれた日になっているようです。
また、今年は、今日から蟹座の始まりでもあります。