今日から入梅です。
「入梅(にゅうばい)」といった場合、「気象学における入梅」と「暦の入梅」の 2種類があります。
そもそも梅雨(つゆ)とは、春から夏の間に、梅雨前線(ばいうぜんせん)の影響で雨が続く期間のことです。
そして、この期間が始まることを「梅雨入り」、終わることを「梅雨明け」と呼びます。
この「梅雨入り」を漢語で表現したものが『入梅』です。
ですから、
梅雨入り = 入梅
ということになります。
「梅雨明け」に対して「出梅(しゅつばい)」という言葉もありますが、現代ではほとんど使われることがないようです。
暦の入梅(にゅうばい)は雑節(ざっせつ)の一つで、「太陽の黄経(こうけい)が80°に達する日」と定義されていて、毎年 6月11日頃となります。
ですから、天体の運行によって決まるもので、気象は関係がありません。
まったく雨が降る見込みがなくても、暦に表示された日が「入梅」なのです。
この暦の『入梅』は、貞享暦(1685年~) の時代から暦に記載されるようになりました。
というのは、農家にとって梅雨が始まる時期を前もって知っておくことは、水が必要となる田植えの日程を決めるために重要だったからです。
梅雨の時期は、湿度が高いために黴(かび)が発生しやすく「黴雨(ばいう)」と呼ばれていて、これが同じ音を持つ「梅雨」へと転じました。
梅雨の時期は、梅の実が熟す頃だから
梅雨の時期は、「毎」日のように雨が降ることから「梅」という字を当てました。
説としては、最初のものが有力ですが、はっきりとはしていません。
また、梅雨の別名には次のようなものがあります。
梅霖(ばいりん)
霖とは、長く降り続く雨のことです
麦雨(ばくう)
麦が実る時期であることに由来します
五月雨(さみだれ)
旧暦では5月頃であることに由来します
栗花落(ついり)
梅雨の季節に咲く栗の花が、雨により落ちてしまうことに由来します
梅雨の時期に水揚げされる鰯(いわし)は入梅いわしと呼ばれることがあります。
この入梅いわしは、一年のうちで最も脂(あぶら)がのっていておいしいといわれています。
その理由としては、次のものが挙げられます。
いわしが産卵前である
雨が多いことにより、川から栄養の豊富な水が海へ流れ込み、海中のプランクトンが増える
いわしにはDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれているので、これらを摂取することで血液をサラサラにする効果と、中性脂肪を減少する効果が期待できます。
これからの季節、体調にも気をつけて、ゆっくり頑張りましょう(^^)