今日は芒種(ぼうしゅ)です。
「芒」とは、米や麦などイネ科の植物が実った時、その果実の先端にある針状の突起の事です。
ひとつひとつの実の先端から、針のように細く伸びているものがあるのですがこれが「芒」です。
芒種は芒のある穀物の種まきをする時期ということです。
また、お米の場合は稲を植えるので、田植の時期ということでもあります。
「蟷螂生(かまきりしょうず)」
蟷螂(かまきり)が生まれ出る季節を、表しています。
カマキリの産卵は秋で、泡状の粘液と共に、植物の茎などに卵を産み付けます。
雪国では、カマキリの卵の位置で、その年の積雪を予想することがあります。
これは、カマキリが雪に隠れない位置に、卵を産む習性があるからです。
「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」
腐草は「ふそう」とも読まれます。
腐った草が蒸れ、蛍となる時期を表しています。
蛍の幼虫は、田んぼや水辺などの湿地に生息しています。
湿地に生えている草は、水に浸っている所がブヨブヨになっていたりします。
そんな草の下で、蛹から成虫になった蛍が、幻想的な光を放ち始めるからです。
また、この頃は梅雨が近づいていることもあり、ジメジメとした蒸し暑い日も多くなってきます。
これらの事から、
「蒸し暑くなり、腐れかけた草の下で蛍が光を放ち始める」
芒種 末候 梅子黄
「梅子黄(うめのみきなり)」
「うめのみきばむ」とも読まれています。
梅の実が熟し、黄色に色づく季節を表しています。
梅は、古くから身近にある植物でした。
花見といえば「桜」を連想すると思いますが、奈良時代以前は梅の花を愛でるものでした。
梅干しを漬けるには、この時期の梅が最適です。
梅干しには、殺菌効果や疲労回復、血液浄化作用など、様々な効果があります。
今でこそ、その効果は科学的に解明されていますが、昔から「梅は三毒を断つ」と言われ、健康を支えてきました。
三毒
食べ物の毒
食べ物に付着するバクテリアなど
血液の毒
疲労の元になる乳酸など
水の毒
水に含まれる雑菌や病原菌
を、指しています。
ご飯の真ん中にある梅干しは、ご飯が悪くなるのを防ぐためにと入れられていました。
おにぎりの具として、梅干しを使ったのも同じ理由からです。
梅干し
焼いた梅干(梅肉)を、こめかみに貼ると頭痛が治る
白湯(さゆ)に、梅干しを入れて飲むと風邪に効く
梅干し入りのお茶で、うがいをすると風邪を引かない
本当の梅干しは梅雨の雨に一度さらされ、独自のバクテリアが発生した、梅でないと、薬効のある梅干しにはならないとのことです。
自分で作った梅干しが、腐ってしまった場合は悪いことが起こると言われるくらい、腐らないものらしいですね。
梅雨は、本来「ばいう」と読み、梅の実が熟す頃に降る雨を指しています。
紫陽花の綺麗な季節になりますね。