5月5日は立夏です。
立夏は二十四節気の一つで、昼や夜の長さで季節を区分する春分や夏至、秋分、冬至などと同じ意味があります。
夏が立つと書くことから夏の気配が感じられる時期を指し、春分と夏至の中間頃に位置し、暦の上では立夏から立秋の前日までが夏と考えられています。
また、天文学上、立夏は「太陽が黄径45度に達した時」と定められているので、地球には自転・公転によるズレがあることから必ずしも毎年決まった日ではありません。
立夏は、夏が本格的に始まるその少し前、「もうすぐ夏がやってくる」という気配を感じられる頃を指します。
そのためよく初夏と混同されますが、初夏は6月を指す言葉で、5月上旬にやってくる立夏は夏の強い日差しを感じることはないけれども、涼しかった風がちょうど心地良く感じる季節となります。
また、二十四節気の穀雨から数えて15日目にあたる立夏は、田植えや種まきが始まる時期と言えます。
さらに八十八夜の数日後にもあたり、歌にもある通り「夏も近付く八十八夜」に近しい日が、立夏となるのです。
田んぼに水が引かれると、蛙の泣き声も聞こえるようになります。
また、天気が安定し過ごしやすい日が続くので、梅雨が始まる前に夏の準備や衣替えなどをする方も多いようです。
立夏を始めとした二十四節気は、旧暦の太陽暦を元に算出されています。
地球から見た空を一つの球体と捉えたものを天球と言いますが、その天球上において、太陽の見かけの通り道を黄道と言います。
黄道は、地球の赤道を天球まで伸ばし出来る天の赤道に対して約23度6分傾いており、これは地球の地軸の傾きに由来しています。
二十四節気はこの黄道を15度毎に24分割したもので、春分点を0として黄道を360度に分けたものが黄径です。
ちなみに立夏は黄径45度となっており、黄径が45度になる日を立夏と定めているのです。
しかし、一年は365日と言われますが、正確には地球の公転周期は365.2422日となり、毎年端数が生じています。
この端数が積み重なると日付に誤差が生まれるため、必ずしも立夏は決まった日ではなく5月5日の年もあれば5月6日の年もあるのです。
立夏とは、鬱陶しい梅雨やうだるような暑さがやってくる、その少し前の清々しい天気が続く時期のことを指します。
本格的な夏を前に、散歩に出掛けて立夏を感じてみるのもよいかも知れません。