今日7月2日は半夏生(はんげしょう)です。
梅雨の終わり頃の時期を指す言葉です。
農家にとって半夏生は、畑仕事や田植えを終わらせる目安となり、その後は数日休む習わしがありました。
また、半夏生に取れる野菜は毒気を含むとも言われ、その点でも休む事が推奨されてきました。
「半夏生」という言葉には幾つかの語源があります。
有名なところでは、「カラスビシャク(烏柄杓)という毒草の生える時期だから、というものがあります。
この草の別名が「半夏(はんげ)」であり、半夏の生える時期だから「半夏生」と呼ばれたのです。
またそれとは別に、「半夏生」の花が咲く時期だからという説もあります。
こちらの「半夏生」は「片白草(かたしろぐさ)」と言う毒草で、その名の通り葉の一部が白くなる特徴があります。
半夏生にタコを食べる風習は、主に関西地方で行われています。
元々は田植えを終えた農家が、神様に食べ物を捧げて豊作を願ったことから始まりました。
その時にタコを捧げて、豊作祈願後にみんなで食べたことが、「半夏生にタコを食べる」となりました。
タコが捧げものに選ばれた理由としては、
八本足で稲がしっかり根を貼ることを願った
タコに沢山生えた吸盤のように、稲も沢山実る事を願ったからといった説があります。
実利的な面では、疲労回復の効果がある、「タウリン」が含まれている事があげられます。
昔の人は長年の経験で、田植えで疲れた時に、タコを食べたら元気になったことを知ってたんですね。
関西ではタコを食べますが、香川では半夏生にうどんを食べる風習があります。
半夏生以外でも食べているじゃないかと思いますが、これにも理由があります。
それは、この時期に収穫された小麦でうどんを打ち、皆で食べて収穫を祝ったからというものです。
収穫祭にうどんを食べたことが、現代にまで風習として伝わっているのです。
半夏生に食べられるものとしては、他には「鯖(さば)」や「きなこ餅」が挙げられます。
鯖は福井県で食べられ、一人一匹の焼き鯖を家族全員で一緒に食べる風習があります。
この時期の鯖は脂が乗っていないのですが、江戸時代より疲労回復のために食べる風習が伝わっています。
きなこ餅は、奈良県と大阪府の一部で食べられています。
こちらはタコと同じく神様へのお供えもので、小麦粉を混ぜた餅にきなこをつけて食べます。
いずれも実利的な面と、神様への感謝という面が重なって、色々と考えさせられます。
半夏生の頃は、夏本番を迎える前の少々体もお疲れの時期。
疲労回復効果があるタコを食べて、元気に夏を迎えたいものです。
人に良いと書いて、食。
昔な人は体に良いことを知っていたのですね。
大切に繋いで行きたいと思います。