今日は社日 (しゃにち)です。
地域によっては、「秋社」 (しゅうしゃ・あきしゃ)ともいいます。
社日は秋分に深い関わりがありめす。
社日の日付は、秋分に一番近い「戊(つちのえ)の日」となります。
ただし秋分が「癸(みずのと)の日」の時は注意が必要。
戊の日と戊の日のちょうど中間にあたるのが、秋分になるからです。
この場合は、
秋分になった瞬間が午前中なら前の戊の日
秋分になった瞬間が午後なら後の戊の日
が社日となります。
戊の日とは聞きなれない言葉ですが、一定の周期を繰り返す「十干(じっかん)」の一つです。
日めくりカレンダーに「戊午(つちのえ・うし)」などと書かれているのを、見たことがありませんか?
この前の部分が十干で、後ろの部分は干支でお馴染みの「十二支」なんです。
* 甲(こう・きのえ)
* 乙(おつ・きのと)
* 丙(へい・ひのえ)
* 丁(てい・ひのと)
* 戊(ぼ・つちのえ)←戊の日
* 己(き・つちのと)
* 庚(こう・かのえ)
* 辛(しん・かのと)
* 壬(じん・みずのえ)
* 癸(き・みずのと)
以上が十干で、占いに使ったり順番を表すのに使われてきました。
社日を決める「戊の日」には、土が密接に関係しています。
その意味は「つちのえ」という言葉にある通り、「土の兄」というもの。
兄という表現は、「陰陽」の「陽」を表す言葉となります。
陽は光の側面で太陽を表します。
また社日の「社」には、その土地を守護する「産土神(うぶすなかみ)」という意味があります。
地域ごとに産土神は存在し、守護する土地を豊かにしてその土地を生きる人を守ってくれ存在です。
そのため社日には大地に感謝し、産土神を祀って五穀豊穣を祈願する習わしがあります。
一般に、その年にとれた最初の稲(初穂)を奉納し、感謝を神様に伝えます。
ちなみに産土神は引越しなどでその土地を離れても、一生守ってくれる神様という側面もあるのです。
安産の神様という考え方もあり、子供が欲しい方や妊婦さんに人気の神様でもあります。
大地は女性の象徴とも言われていますし、五穀豊穣と子宝祈願は共通しています。
社日はその土地に密接に関係しているため、地域ごとにその特色が大きく変わります。
例えば産土神がいらっしゃる日なので、社日には土を触らない・農作業を行わないというものもあります。
福岡の筥崎宮では、海岸の砂を集めて清める「お潮井とり」という風習があります。
この砂にはお清め効果があり、体にかけたり新築物件にかけたり畑に巻いたりします。
また社日に鳥居のある神社を七社お参りすると、様々な恩恵をうけるそうです。
社日は地元に密接した日なので、地元の神社のお祭りが行われることも多いです。
あるいは昔から伝わる風習で、秋口に行うものは、社日が関わっています。
自分が知らなかっただけで、実はこの風習が社日が由来という事もあるかも知れません。